■スーパージェッター■

■メカがユニーク、「スーパージェッター」
「流星号応答せよ! 流星号応答せよ!」と腕時計(タイムストッパー)に命令すれば、マッハ15で飛んで来るスーパーメカの流星号が魅力でした。




1965年1月から放映されたスーパージェッターは、そのユニークなメカが強烈な印象として残っている作品です。30世紀の未来から悪人ジャガーを追ってきたタイムパトロールのジェッターが、衝突による流星号の時間航行装置の故障で20世紀に漂着し、世界の平和のために活躍するというストーリーでした。ヒロインはジェッターが20世紀に落下した際に救った女性カメラマンの水島かおる。勝ち気な彼女は、キャリアウーマンの走りのような存在で、ジェッター君等と馴れ馴れしく呼んでいました。彼女が国際科学捜査局の西郷長官に紹介して、ジェッターは様々な事件の解決に協力する事になったのです。

物語の終盤ではジェッターとかおるが30世紀の未来に行くエピソードもあります。どうやらジェッターは20世紀で完全に孤立したわけでなく、ちゃんと未来からタイムパトロールの救済があったようです。当然と言えば当然で、流星号がどの時代を航行中だったか本部では把握していたのでしょう。厳密に考えれば時間を自由に航行できるわけですから、事故のすぐ後に救援に来る事も、更に事故が起こる前に事前に忠告もできるとか…、まあ、ヤボな事は考えないでおきましょう。

この作品でなんと言ってもユニークだったのが、時間航行機の流星号です。軟体動物のようにくねくね動くメカは非常に斬新で、まさにアニメならではのアイテムでした。その能力たるや海底に潜り、陸を走り、空を飛び、更に時間をも超越する万能航行ぶりです。そして最高速度がマッハ15とロケット並の速度を誇り、電子頭脳は人間の言葉を理解して自力で判断できる能力を備えています。ジェッターの活躍をサポートする頼もしいパートナーでした。

時計に向かって「流星号、応答せよ」と命令するシーンは主題歌にも入っており、今なお鮮明に覚えています。オープニングの軽やかなリズムが、未来への予感のようで印象的です。作品中では流星号の動作が動物のように描かれていたので、まるでペットを相手にしているように見えました。ジェッターの時計はタイムストッパーと言って、無線機能の他に時間を30秒だけ止めることができる画期的なメカです。時間が止まった時の描写もユニークで、コチコチと時間の経過を示す音がスリルを倍加していました。

他にも空を飛ぶための半重力ベルト、武器のパラライザー、赤外線透視ゴーグル等、当時珍しいアイテムが次々と登場します。それを支えたのはやはり脚本の力でしょう。資料によるとスタッフの顔ぶれも超豪華です。草創期のアニメ界には専門のシナリオライターがいなかったため、新進のSF作家等が起用されています。加納一郎氏を中心に筒井康隆、半村良、豊田有恒、眉村卓ほかの各氏と、後の本格SF作家が参加しています。

アニメでは最初にモノクロで52本制作・放映されており、その後26本をカラー化して放映されています。ちょうどTVがカラー化に向かう過渡期の作品らしい展開です。本作はエイトマンの後継としてTBSが企画したもので、同じエイケンで制作されています。従ってアニメ版がマンガより先で、マンガは久松文雄氏が担当しました。

ジェッター役の市川治氏の甲高い声も印象的で、何十年たっても同じ声なのには驚きです。かつての声優さんは今でも現役の方が多いのですが、歳を重ねてもその若々しい声を維持しているのには本当に感心します。既に亡くなった方も大勢いらっしゃいますが、すばらしい作品を提供して下さったことに感謝し、ご冥福を祈りたいと思います。類まれな声優さん達の声は、いずれ音声合成の技術で再び復活することでしょう。