●わたしは地球

ストーリー
日本海溝で起きた海底地震を調査していた探査船が、長さ数キロに及ぶ巨大な謎の物体を発見した。解析の結果、それがある種のセンサーであることがわかった。折りしも地球の両極付近に、重力の歪曲によって隠された未知の大地孔が見つかる。それらを調査した科学チームは、地球の驚くべき正体の仮説を立てた。地球はそれ自体が一種の生命体で、謎の物体は地球自身が表面状態をモニターするために張り巡らせたセンサー、そして大地孔の中心には地球生命核があると結論付けたのである。大地孔の内部調査のために探査機が用意され、世界中から各分野のエキスパートが集められた。ついに世紀の大調査プロジェクトが始動する。

●単独出版及び短編集-3に収録予定
作品本編XXP

 

 


●ギャラリー

 

 

 

■地球種
科学チームが地球種と名付けた新生命体の謎を探るため、NASAが宇宙探査のために開発した垂直離着陸機を投入することになった。大地孔は北極と南極の両極付近に存在し、南極側が入り口、北極川が出口の力場が働いている。事前に無人探査機による調査を試みたが、すぐにロストしてしまい内部の状況は全くわかっていない。

■探査チーム結成
大地孔内部を調査するために、物理、化学、生物と言った各分野のエキスパート12名が世界中から集められ、探査チームが結成された。日本からは探査機のパイロットとして、戦闘機「流星」の開発を終えた天木大介が加わる。チームの中には探査のために莫大な寄付をした軍需企業の役員ガメルも含まれ、オブザーバーとして随行することになっていた。果たして純粋な科学的調査なのか、一部の隊員達の間で疑念がささやかれる。

■出発前夜
天木は生物学博士のソニアに付き合い、バーで酒を飲んでいた。彼女は酔った勢いで、幼い頃からよく同じ夢を見たことを告げた。誰かが夢の中で彼女を呼び続け、声の主に歩み寄るのだが、その正体に辿りつく寸前でいつも目が覚めるのだと。そして声の主はこうも言っていた。「もうあまり時間が無い。早くわたしの元へ来て。わたしは・・・地球」と。

■地孔への挑戦
探査機と共に南極のベースキャンプに到着した探査チーム。大地孔が隠された地点には、無人探査機を送り込む時に設置された強力な電磁波を放射する装置群があった。電磁波を1点に集中させることで重力場の乱れを発生させ、隠された大地孔を出現させるのである。装置が作動してまもなく、大地に巨大な穴が出現した。これから探査に挑む大地孔の正体である。

■驚異の世界
大地孔内部は不思議な空間だった。周囲には時間連鎖を見るように過去の地表の姿が現れた。隊員達はまるでバーチャルリアリティの世界を見ているような錯覚を覚え、深度が増す程に更に過去の世界へと変わり行く風景を眺めた。途中には恐竜達が闊歩する場面もあった。そこを過ぎると更に時代が遡っていく。やがて大地は火山噴火の嵐となり、空には稲妻が走り雷鳴が轟く。いよいよ地球誕生の核心に迫っているようだ。その先にあるのは恐らく地球の生命核。

■終着地点
激しい嵐を抜けると急に辺りに静寂が訪れ、探査機は地の底に着地した。どうやら最終地点に到達したようだ。見渡す限りの恐ろしく広大な空間が広がり、薄明かりの中に巨大な結晶状の石柱が無数にそびえ立つ。地質学者のショーンが、石柱の正体はダイヤだと叫んだ。にわかに隊員達は色めきたったが、ひときわ目を輝かせたのがオブザーバーのガメルである。

■地球の生命核
その時、突然ソニアが何かに導かれるようにフラフラと歩き出した。隊員達は制止しようとしたが、見えない力ではじかれてしまう。一部の隊員を探査機に残し、天木達は彼女の後に続いた。行先には巨大なカプセルのような構造物がそびえる。その中には翼を広げた光輝く女神のような巨人の姿があった。