●クレアドール

ストーリー
人里離れた荒野で一人隠居生活を送っていたドナルドの元に、息子から贈られたアンドロイドナースがやって来た。クレアと名乗る彼女には、その時大いなる能力が宿っていた。そして二人の奇妙な生活が始まる。まるで人間のように振舞うクレア。やがて、その根源である高次元生命体を抹殺するために、暗黒の敵が彼らの前に姿を現したのだった。

●単独出版及び短編集-3に収録予定
作品本編XXP

 

 


●ギャラリー

 

 

 

■孤独のドナルド
世界的企業グループの会長だったドナルドは、引退後に人里離れた荒野で隠居生活を送っていた。なかなかの変人で人間嫌いのため、メイドはことごとく辞めてしまい今は一人身である。そこで、車椅子生活をする高齢の父を心配した息子は、自社で開発したアンドロイドナースを贈ることにした。亡き母のクレアに似せた特注の外観で、父が気に入ると考えたのだ。

■クレアの死
学生時代にドナルドから熱烈なラブコールを受けて、最初は彼を嫌っていたクレアも折れて結婚。2男1女をもうける。しかし、ドナルドは仕事一筋で家庭を顧みず、やがて病で彼女は若くしてこの世を去った。その時になって初めて、ドナルドは自分の過ちに衝撃を受け絶望的に悲しむ。しかし、高いプライドからそれを悟られまいとし、ドナルドは益々仕事にのめりこんでいく。人並み外れた努力の末に、彼の会社は世界的な企業へと成長し、高齢となった彼は子供達に会社を譲って引退した。

■謎の生命体
キャリアビークルでドナルドの元へ向かっていたクレア(アンドロイド)だったが、空から飛来した謎の光の直撃を受けて車と共に大破する。光の正体は宇宙規模で暗黒の敵と戦う高次元生命体で、死闘の末に地球へ落下したのだった。戦闘で物理的な体を失ってしまい、修復が完了するまでの間、精神だけをクレアに移して寄生する形で過ごすことにする。彼の持つ奇跡の能力により、時間をわずかに巻き戻して事故前の状態に復元した後で、クレアには見返りとして、アンドロイドを超越した高度な体と心への改造を約束した。

■クレアの成長
改造はより人間に近付くことを意味する。クレアの記憶をコピーされた彼女自身が望んだことでもあった。最初は機械的だったクレアも、次第に人間のような感情を持ち、人間のように行動するように変わっていく。時には人間じみた失敗をする彼女に対して、始めは得体の知れない機械人形とクレアを嫌っていたドナルドも、悪態をつきながらも興味を示すようになっていく。いつしかアンドロイドの彼女が、かつての妻に重なって見えるような気がしていた。

■敵の襲来
それは突然現れた。高次元生命体と共に地球へ落下していた暗黒の敵は、いち早く体を修復して生命体を抹殺しにやって来たのだ。生命体がクレアの体内にあることを察知した敵は、彼女に牙をむき襲いかかる。ところが、クレアがいくら生命体に呼びかけても全く応答が無い。ドナルドを安全な場所に避難させるために必死で抗う彼女だったが、人並みの非力なアンドロイドであるクレアでは歯が立たない。目の前で無残にも破壊されていくクレアを見て、ドナルドに若き日の記憶が蘇った。車椅子から身を乗り出すと、彼女を救うために自ら盾になろうとしたのだ。それは妻に対する贖罪であったのかもしれない。