■FutureWorld 202X

ストーリー
地球規模の大災害から十数年、すっかり疲弊した社会で海外から資源を略奪するために、子供達までもが軍事訓練を受ける。ある時竜一は訓練中の廃墟で一人のおじさんに出会った。やがて二人は心通わせるが、おじさんは政府への反逆者として追われていた。

●短編集SELECT-6に収録
作品本編48P

●おじさんと竜一
ゴンベと名乗る廃墟の地下街跡で暮らすおじさん。竜一は優しいおじさんから色々なことを教わり勇気付けられる。

●特殊効果
現在作画にはCOMIC STUDIOを使用していますが、所有するEX版には写真を線画とトーンの組み合わせで再現する機能があります。今回初めてそれを利用し、舞台となる街の風景写真(先日撮影したもの)を元に表現してみました。原版では航空写真を元に作画したページを使用していましたが、手間がかかっている反面、ややイメージに合わない印象もあったのです。試行錯誤して変換する最適なポイントを探し、自分としては満足いく結果になったと思っています。多様すると単なる手抜きになってしまいますが、今回のようにリアリティとインパクトを求めたい時に効果的だと感じました。

実は写真を利用する機能として、グレースケールを基にトーン化する機能もあるのですが、こちらは新聞の写真と同様で、しかも画面表示となると単なるグレースケールの写真となり採用できませんでした。マンガ作品に利用するにはかなり限定的になりそうです。ただ、印刷を前提に作画自体をトーン化するのも面白いかもしれません。

●作品について
本作品は短編集としては少し長い48ページの読み切り作品です。原版では世紀末に大災害が起こり、それから二十数年後を想定して描いたものですが、時勢に合わせて時代設定を少し変更しています。本作を描いた1980年代半ばには、まだまだ遠い将来の話でしたが、既に作品の舞台までにそれほど時間はありません。

折りしも今回のリニューアル中に東日本大震災が発生し、原発の大事故等わが国はたいへんな状況にあります。しかし、日本全土から見れば被災地域はわずかであり、人々の善意と国力はまだまだ健在です。世界中の支援もあって必ず復興を成し遂げることでしょう。

しかし、作品では世界中で破滅的な大災害が起こり、人類の生存自体が困難な中で、助け合う余裕も無く乏しい資源を武力で奪い合っています。政府の中枢に権力と富は集中し、庶民は苦しい生活を余儀なくされ、復興もままならず十数年の歳月が過ぎていきます。そんな状況を打破するために、一部の有志が反政府組織となり活動しています。その中の一人、ゴンベさんは子供にこそ未来を変える可能性があると信じ、その希望を竜一に託すのでした。

●竜一の父
出世のことばかり考える軍人で、竜一に厳しく当たる。
●竜一の母
いつも竜一を優しく見守っている。
●はるか
竜一のクラスメートで、いじめにあう竜一をかばう。
戦闘訓練に明け暮れる子供達。大変動により世界経済、社会は崩壊し、秩序は存在しなくなった。政府は物資調達のために海外で略奪を行うための兵士を、子供の頃から育成しているのだ。
大人達のすさんだ思想は、子供の心にも悪影響を与えていた。暴力が教室を支配し、弱い者はしいたげられる。心優しい竜一はガキ大将一派からいじめを受ける毎日だった。
写真による特殊効果シーン
優しかった母の死は、竜一に絶望的な試練を与えた。しかし、それが竜一に成長を促すきっかけとなる。一方、ゴンベさんからは、自ら考え行動する勇気を与えられるのだった。
大人達の理不尽な行動に怒りが爆発する。竜一は今、大きく成長しようとしていた。