●INT

ストーリー
世界に混沌と破壊をもたらすために、人間の未知なる領域「精神」を侵略する謎の敵INT。INTによって人は精神を汚染され、やがて恐ろしい化け物へと変貌する。強靭な精神力でINTに打ち勝った純は、同じ境遇の仲間達と共にINTを駆逐するため戦う。

●短編集-2に収録
作品本編36P

 


●ギャラリー

 

 

■内なる脅威
INTは精神医学の権威であった主人公(純)の父親が名付けたもので、INTERNALの頭の部分からとったものです。INTは人の内部、それも精神という未知の領域に侵入した寄生虫のようなもので、取り憑かれた人間はじわじわと精神を乗っ取られ、やがて人体構造までもが変化していきます。INTと同化した人間は巧妙に人を装っていますが、その実体は不気味な怪物です。彼らがどこからやってくるのか、既にどれくらいの数が侵入しているかも定かではありません。しかし、彼らがこの世界に混沌と破壊をもたらす存在であることは明らかです。INTが自ら述べているように、本能の赴くまま私利私欲のためだけに生きることこそが彼らの存在意義ならば、現代社会はまさに彼らが食らい尽くす格好の標的です。もしかするとINT化した人間は、あなたのすぐ近くに潜んでいるかもしれません。いや、既にあなた自身がINTなのかもしれないのです。(昔の特撮ドラマ、ウルトラQのナレーション風に読んでネ。)

■タイトルの意味付け
本作品は他のタイトル同様に構想自体が古いのですが、原版ではINTという言葉にINTERRUPT(妨げる、中断する)を考えていました。著者がコンピュータ好きであることから、コンピュータ用語のINTが構想と共に頭に浮かんだのです。コンピュータでは何かの処理の途中で、外部からの要求等によって一時的に別の処理をすることを割り込み(INTERRUPT)と言います。昔アッセンブラでプログラミングしていた時、割り込みを実施するためにプログラムでINT 13等と記述していたことから、コマンドのINT(略語でもある)が頭にインプットされていたわけです。物語のINTは人の本来ある人生に割り込んで、強制的に自分の意のままに人を動かすことから、その意味がよく似ているとも思えます。ただ、一般には馴染みが薄い言葉であり、ややこじつけがましい感じもあって、最終的にはよりわかりやすく的確なINTERNALを当てました。サブタイトルの「The Internal Dark」はストーリー中では直接触れてはいませんが、侵略者であるINTの本質を表しています。

■精神の謎
人の精神というのは未だ解明されていない分野で、その実体が何なのかよくわかっていません。生体内の化学反応から生まれるエネルギーの一種だとすれば、精神も何らかの物質であるのかもしれません。全ての物質がエネルギーを持ち、エネルギーと質量が密接な関係にあることから、この考えはあながち荒唐無稽とも言えないでしょう。心の内部、精神の世界で常に善の物質と悪の物質がせめぎあって、絶妙のバランスの上に成り立っているのが人ならば、そこに介入してくるINTは純粋に悪の物質だと言えます。仮に精神物質とでも言えるものが例え微量であったとしても、相対性理論に従って全て等価なエネルギーに変換されるならば、無限にも等しい強大なパワーが生まれます。INTが持つ力、そしてそれに対抗する力が精神力である根拠はここにあるのです。