●目覚めのプレリュード

ストーリー
時空を超える能力、それは宇宙の秩序を破壊する危険な力。何も知らず日常を過ごす麗の身に、突然起きた異変が襲いかかる。

●短編集-2に収録
作品本編32P

 


●ギャラリー

■パラレルワールド2題
本作品は短編集-2に同時収録した「パラレルショック」に類似した構想で作られていますが、内容はかなり異なるものになっています。最大の相違点は、パラレルショックでは時空管理局が転移能力者を保護する組織であるのに対して、本作品では捕獲・封印する側に立つことです。目的は似ていますが、その手段は全く異なるわけです。つまり、危険なものを上手に管理するのか、それとも断固排除するのか、それは人間社会のあり方そのものに関わる問題です。どちらが良いのか、結果を見るまでは判断は容易ではありません。しかし、結果が出てからでは遅い場合もあります。もしも現代社会にこのような問題が降りかかったら、果たして皆さんはどちらを選ぶでしょうか。

■設定の転用
パラレルショックは本来の構想とは違う形で短編を実現しましたが、その時の設定の一部を本作品に転用しました。それは超時空振動機の設定です。作品内ではエスパーはさほど特殊な人々ではなく、速水達の世界ではごく普通に存在しています。しかし、時空移動が可能なエスパーはごく少数ながら、世界の存亡にも関わる大きな影響力を与えるが故に、危険分子として扱われています。彼らを取り締まるために作られたのが振動機で、科学の力を借りて平行世界の秩序を維持しているわけです。

■意識転移
平行宇宙とは、ある時間に存在する空間世界は無数にあるという考え方によります。フィルムに例えるとわかりやすいのですが、連続したフィルムが時間の流れだとすると、ある時間のフィルムに注目した時に、そのフィルムの周りに無数のフィルムが同時展開するというイメージです。そこで現在の自分を中心に考えると、離れたフィルム上に存在する自分ほど、異なるものになるというわけです。隣り合った世界ではほとんど違いが無いことから、もしも我々が日常的に近隣平行世界を行き来していたとしても、誰も気付かないかもしれません。しかも物理的に本人そのものが別世界に移動するケースと違い、意識だけが転移するならば尚更です。ただの空想の産物ではありますが、そんな風に世界を考えると、退屈な日常も何となく違って見えるのではないでしょうか。