■グレートマジンガー出撃に挑む■

<格納庫の全貌>
最初にお断りしておくが、これは独自に考えたアイデアで、作品中のシーン等から正確に再現したものでは無い。作者の意図と異なる点があるかもしれないことをご了承頂きたい。この図を元に各部を説明しよう。



2.格納庫と射出装置
海底に格納庫を設置する場合、一番問題になるのは水圧だ。海上(標高0メートル)の気圧は1気圧なので、前述したように最大深度が水深100メートルとして、水圧は10気圧(大気を含めれば11気圧)になる。職員が地上と同じ活動を行うために1気圧を維持した場合、壁はどの程度の圧力に耐える必要があるだろうか。1気圧では1平方メートル当たり10トンの圧力がかかる。施設外部の水圧と内部気圧との差は10気圧だ。つまりは1平方メートル当たり100トン以上の圧力に耐える構造物であれば良い。コンクリートの強度が同3000トン位あるようなので、建造することは十分可能だ。施設内部は空洞に近いので、建物としての強度を保つのは別問題だが、少なくとも現在ある技術や材料で施設を造ることは可能なのである。

では、グレートを射出するための発射管はどうだろうか。高圧ガスで打ち出すために、材質は金属製が適すると思われる。潜水艦の発射管と違って重量の制限は特に無いため、安価で加工が容易な鉄やステンレスが採用される可能性が高い。強度を高めて海水による腐食を防止するため、炭素繊維やガラス繊維で外壁を覆う対策も考えられる。もちろん敵の攻撃にも耐える必要があり、通常の建造物よりも遥かに頑丈でなければならない。

グレートの身長を考えれば、発射管の長さは最低でも30メートル以上になる。格納庫内から発射管にグレートを装填するため、発射管本体は格納庫の近くに設置されるだろう。格納庫にはグレートのメンテナンス設備も必要なので、全体スペースはかなり大きなものになる。水中の建築物は高い水圧に効率良く適応させるため、ドーム型かカマボコ型の形状が採用されるはずだ。グレートの格納庫はさほど深くは無いので、カマボコ型でも十分だろう。

下図は格納庫を上から見た図だ。格納庫内ではブレーンコンドルが無い場合も考慮して、移動には専用のトレーラーを使う。ICBMの自走式発射トレーラーのようにグレートを寝せて移動し、横倒しのままか立ててメンテナンスを受ける。また、射出の際には発射管の中まで運んでグレートを立たせる。発射の際に発射管は大きな圧力がかかるため、発射管への出入り口は極めて頑丈で気密性の高いハッチが要求される。発射管の詳細は次項で考えることにしよう。

連絡通路によって格納庫は研究所と結ばれている。所員の往来に使うものだが、通路をグレートを運ぶトレーラーが通れるサイズで造れば、研究所に運んでメンテナンスや研究等もできるし、いざと言う時にグレートの退避にも使えるため、コストの許す範囲で検討の余地があるだろう。