■宇宙戦艦ヤマト■

■ツッコミその1
ツッコミのプロローグは旧ヤマト(PART1)のオープニング。画面下に歌詞が出てくるが、「うちゅう」がひらがなで「戦艦」が漢字だ。どう見ても戦艦の方が難しい字なんだけど、なぜそうしたのかは謎だ。今なら、ひらがなで書くところを間違えて漢字変換しちゃった、でごまかすのかも。更に初期のエンディングでは、森雪役の麻上洋子さんのテロップが麻下洋子になっていた(今は修正されている)。準主役級なのに新人はつらいね。

●プロローグ
ツッコミどころ満載と言えば、やはりこの作品の右に出るものは無い。本格的なSFアニメとして一世を風靡したヤマトだが、まだSFが一般には浸透していなかった時代のこと、視聴者に受け入れられるように物語を組み立てるのは大変だったに違いない。当時、アニメはまだ子供のものと言った風潮も根強く、難解なSF考証や設定をそのまま使えないジレンマもあったと思う。そのせいもあってか、今見ると「おやっ?」と思うような謎やミスがたくさんある。

ヤマトの作画1つとっても、あれだけ複雑なものを動かすとなれば、制作現場の過酷さは相当だったろう。もちろんCGも無い時代のことだから、作画は全部手作業だ。制作プロダクションだって、現在のようにきちんとした分業態勢は望めなかったろうし、毎週1本のTVアニメを作ることは本当に至難の業だったはず。制作そのものが冒険だったからこそ、歴史に残る名作が生まれたとも言える。

とにかく、プロデューサーやスタッフの制作にかける熱意は半端じゃなく、その迫力が作品からも伝わってくる。未熟な中にもキラリと光るものがあって、理屈よりも情感を大切にした作画と展開は、少々強引に見えても心に残っている。更に音楽の面では、TVアニメに革命を起こしたと言っても過言ではない。ヤマトが多くの人達に支持されたのも、きっとこうした点にあるんじゃないだろうか。

最初にヤマトを見た時、オープニングでヤマトが艦橋のアップから徐々にカメラが引かれ、全体像を現すシーンは強烈なインパクトがあった。宇宙戦艦ヤマト2199ではCGが使われていたが、ほとんど同じ構図のものを想像だけで作り上げたイマジネーションは、すごいの一言に尽きる。

●沖田艦長の驚異の視力
冥王星での戦闘の最中、サーシアの宇宙船をレーダーが捉えた時の沖田艦長の言葉。
「惑星間航行速度をはるかに超えている。あのぶんだと数分で火星の軌道に行ってしまうぞ。」
撮影しているカメラもすごいが、ワープ速度で飛んでいるのを肉眼で見切った沖田艦長の動体視力は更にすごい。

●土葬にされたサーシア
火星に激突死したサーシア(実は死因は不明)は、そのまま古代君達の手で土葬されてしまった。常識的には回収して冷凍保存し、イスカンダルへ連れて行くところだろう。外見は無傷みたいだったし、もしかすると仮死状態だったかも。う~ん、生き埋めだったらどうしよう。イスカンダル人は死んでも幽体みたいになって存在し続けるから、化けて出るかも。

●ゆきかぜの最後
沖田艦を逃がすために囮になったゆきかぜだが、いくら艦長から「死ぬなよ、古代。」なんて言われても、あの状況ではねぇ。最後は蜂の巣にされて爆発したが、どうやって冥王星から土星まで飛んでいったかは謎だ。ガミラス艦隊も律儀に囮のゆきかぜを追ったもので、どっちが重要な艦か一目瞭然なのにね。沖田艦長はここで今全滅したら地球を守る者がいなくなると言っているが、全滅してもさほど大勢に影響は無いと思うが。

●改造されていた戦艦大和
沈没戦艦を装ってもあの巨体は目立つので、余計にガミラスも不審に思うだろう。それに鉄くずをくりぬきながらヤマトを作っていくより、新たに建造した方がよほど効率的だと思うが。古代君達が最初にヤマトの艦内に入った時、地上からのエレベーターでそのまま第一艦橋に着いたっけ。しかも、病院にいたはずの雪ちゃんが先に艦橋にいるし。

●放射能の中でのヤマト建造
放射能汚染が地下1キロまで進んでいたのに、地上付近でよくヤマトの建造作業ができたものだ。みんな防護服を着ている様子も無いし。極めつけは沖田艦長と共に古代君達も波動砲口に出て外を眺めているシーン。普通なら外気に触れただけで即死じゃないだろうか。

●あっと言う間に完成した波動エンジン
イスカンダルからもたらされた設計図だが、波動エンジンの製造に要した日数は不明だ。じきにヤマトは発進したし、未知のエンジンをよくも短時間で作り上げたものだ。しかも、ぶっつけ本番で使っちゃうし。スターシアがメッセージで地球はあと1年しか持たないと言ってたけど、サーシアが地球に到着するまでの時間や、波動エンジンの製作期間をどう見積もっていたんだろう。サーシアが着いた時には完全に手遅れだと思うが。だいたい、あと1年ってどうやって知ったのかな。

●号砲一発!! 宇宙戦艦ヤマト始動!!
ヤマトが傾斜を復元しながら地中から現れるシーンは圧巻だ。とにかく空中に浮遊するまでの描写は何度見ても飽きない。この際、壊れた電探からまっさらのレーダーが出てきたり、船には無い尾翼が突然現れるのには目をつぶるとしよう。それにしても最先端の主砲の照準がダイヤル式とは、実にノスタルジックだ。砲身がそれぞれ別方向に動くのがユニークで、エネルギーの束が絡みながら進むのも斬新だ。原理はよくわからんけど…

●号砲一発!! 宇宙戦艦ヤマト始動!!の後
ヤマトは地下に半分埋まってたので、始動の際に土砂が地下工場に流れ込んで、きっと工場は壊滅しただろうなぁ。もしかすると避難が間に合わずに、生き埋めになった作業員もいたかも。工場さえ残しておけば、後でヤマトの2番艦ムサシだって建造できたのにね。レイテ沖まで地下工場を作りに行くのも大変だしなぁ。